スポンサードリンク

Top Page > 2011年10月
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサードリンク


この記事と同じテーマの最新記事


    スポンサードリンク
    久々に「わかりやすいアラブの話」シリーズです。

    かつてのリビアの最高指導者・カダフィ大佐が遂に発見され、
    そして死亡しました。

    今年の3月に、このブログでも、リビアの内戦について取り上げましたが、
    遂にこれでこのリビア内戦が一旦の終焉を迎えたことになります。
    よくわかるリビア情勢

    カダフィ大佐は、最後まで踏み止まっていた故郷のシルトで捕まりました。

    「シルトに潜伏しているのではないか」という話は前から報じられており、
    反カダフィ派の包囲網が迫る中、カダフィ大佐は数十人のボディーガードと
    共にこの拠点を脱出しようと試みます。

    しかし、NATOの空爆により逃走を阻まれた後、3時間に渡る銃撃戦に。
    そして、銃撃戦の中で右腕を負傷したカダフィ大佐は、車を捨て、
    近くの排水溝に隠れているところを、反カダフィ派に発見され遂に拘束されました。

    「どうしたいんだ。撃たないでくれ、我が息子よ。」

    あれほど強気に権威を示し続けてきたカダフィ大佐ですが、
    拘束されたときには、そう命乞いをしたと報じられています。

    中東の衛星放送で流れた映像の中では、捕まった後、「生かしておけ」という
    言葉が聞こえ、髪の毛を掴み、引きずるようにして救急車に連行しようとしている
    様子が映りました。

    しかし、映像がカダフィ大佐からそれた瞬間、銃声が聞こえ、次に映像に
    映し出されたのは、カダフィ大佐の遺体。

    なぜ撃たれたのかは闇の中ですが、恨みつらみが爆発した兵士が思わず撃ったのかも
    しれませんし、英雄気取りで意図的に撃ったのかもしれません。

    それにしても、何とも悲惨な末路でした。
    一国を42年にも渡って支配し続けてきた独裁者が、命乞いする中、
    血まみれで引きずられ、その周りで民衆が歓声を上げ、
    そして撃たれるまでが映像で流され、Youtubeにまでアップされてしまう、
    というのは、もう異常としか言えません

    「リビアは独裁政権から自由を勝ち取り、民主主義へ歩んでいくのだ」
    などと彼らは言いますが、この映像を見て誰がリビアの明るい未来を
    想像するでしょうか。

    以前、エジプトの話で、「イスラム社会の民主化は簡単ではない」と書きました。
    エジプトのジレンマは続く。。。

    ただ、リビアの場合はそれだけの問題に留まりません。

    前にも書きましたが、そもそもリビアには憲法がありません
    拠り所にするものもなければ、民主主義政治を誰も経験したこともありません。
    全てが一から、というとんでもない険しい道程が待っています。

    そしてもう一つ、リビアは世界8位の産油国であり、膨大な石油利権があります。
    これは、今回戦闘に参加した欧米諸国を含め、間違いなく新たな争いを呼ぶことになります。

    世間では「カダフィ=極悪」のイメージが強いと思いますが、
    実は、リビアでは彼の独裁体制が石油利権をコントロールしてきた
    側面があります。

    カダフィ大佐は外国を徹底的に排除し、国内でも一人で実権を握ってきたため
    結果的に石油利権を巡る分裂がこれまで起きませんでした。

    そして、その石油の富により、リビアは、アフリカ一の生活水準を保ってきました。

    教育への援助は手厚く、識字率はアフリカでは異例の90%を超えますし、
    医療面も充実しており、アフリカで幼児死亡率は最低、平均寿命は最高です。

    かつて「世界一貧しい国」だったリビアをここまで引き上げたのは、
    実はカダフィ大佐の独裁政権なのです。

    もちろん、これだけで独裁が容認されるものではありませんし、
    石油の富が国民に等しく分配されている、ということにはなりませんが、
    少なくともある程度は、石油利権による国づくりが機能していたと言えると思います。
    (北朝鮮の国民が受けている扱いを見れば、違いがわかると思います。)

    しかし、カダフィ大佐の死により、
    彼が一人でコントロールしてきた石油の富が裸で列強にさらされることになります。

    果たして、今後の政府が、石油利権を有効に政策に活かせるのか?
    膨大な富を巡る内部分裂は起きないのか?
    内戦中から既に欧米諸国の利害が入り混じる中、まともな外交ができるのか?
    すぐに欧米の食い物にされるのではないのか?

    その不安を解消するには、相当強力なリーダーが必要になるでしょう。

    しかし、今回流れたカダフィ大佐の半ば公開処刑的な映像。
    これを見るだけで、リビアにはそれだけの統率力のあるリーダーはいない、
    と思わざるを得ません。

    今後「民主主義」を目指す国なのであれば、
    カダフィ大佐をああいう殺し方をしては絶対にいけなかったはず。

    あの映像を見るだけで、全く反体制派の意志が統率されていないのがわかります。
    あれでは異常者の集まりでしかありません。

    多くの国民を死に追いやった彼の死は免れなかったでしょうが、
    リビアの将来のためには、絶対に別の方法で彼を裁くべきでした。

    カダフィ政権の罪は何だったのか。
    それを自ら検証し、将来のリビアの国づくりに活かしていかなければ、
    欧米諸国の食い物にされるだけです。

    独裁政治はどこかで終わりを告げるべきものだとは思いますが、
    リビア内戦の終焉がこういう形で終わってしまったのを見ると、
    今回の内戦で国民が勝ち取った「リビア全土の解放」は本当の「解放」なのか。

    これで、内部統制がうまくいかず、
    国民が「これならカダフィ政権時代の方がマシだった」
    なんて感じた日には、また同じことが繰り返されるかもしれません。

    一度「政権転覆」の味を知ってしまった者は、必ず同じことを考えるでしょうから。


    リビアの将来を思うと、暗い気持ちになるニュースでした。

    スポンサードリンク


    この記事と同じテーマの最新記事


    スポンサードリンク
    スポンサーサイト

    検索フォーム

     

    カテゴリ

    全記事一覧

    お知らせ

    ドバイの旅行情報
    トリップアドバイザーの おすすめブログとして推奨されました。

    ドバイ 旅行
    フォートラベルの おすすめブログとして推奨されました。

    FC2カウンター

    プロフィール

    kentaro3787

    Author:kentaro3787
    たまたまドバイで働くことになった男の旅行記。
    「感受性がない」とよく言われる自分が、冷めた目から各場所を”旅行的おすすめ度”S~Dで評価してみます。

    S:一生に一度は行きたい
    A:訪れて損はなし
    B:この地域に来たら行きたい
    C:良いけど、省略可
    D:行かなくてもいいかな
    (まあ、基準は適当です。)

    時々、ドバイの近況も載せるのでのぞいてみてください。

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
    HTMHThHhさ