スポンサードリンク

Top Page > スポンサー広告 > 国連は、シリアの虐殺を止められないのか。Top Page > わかりやすいアラブの話 > 国連は、シリアの虐殺を止められないのか。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサードリンク


この記事と同じテーマの最新記事


    スポンサードリンク
    前回記事で、アラブ連盟のゴタゴタについて書いてきました。

    では、アラブで解決できないならもっと大きな組織。
    シリアに影響を及ぼしえる最大の国際組織が「国連」です。

    国連(=国際連合)は、世界193ヵ国からなる国際組織ですが、
    主な活動目的は「国際平和の維持(安全保障)」、
    「経済や社会などに関する国際協力実現」。

    つまり、こういう暴力や虐殺で血が流れる場面では、
    まさに率先して平和維持に向け、力を発揮する国際組織なわけですね。

    実際、昨年10月と今年2月、2度に渡って、
    国連安全保障理事会では、武力弾圧の停止をシリア政府に求める決議を行いました。

    しかし。。。
    ロシアと中国が決議に反対し、決議案は廃案に。

    ロシアと中国は、国連の中でも「常任理事国」と呼ばれる絶大な権力を持つ国で、
    決議への拒否権を持つため、彼らが反対する限り国連は動けないわけです。

    では、なぜロシアと中国は誰が見ても武力弾圧が明らかなシリアを擁護するのか。

    それはアサド政権に倒れられると困るからです。

    第一に利権の問題。

    ロシアにとってシリアは、武器輸出のお得意先であり、
    そしてCIS以外で唯一の海軍軍事基地を保有している場所です。

    ロシアは武器輸出により利権を持っており、またシリアに基地を
    持つことで、中東や地中海に影響力を持っています。

    中国もシリアにはかなりの額の武器輸出があると言われています。

    第二に民主化の動きへのけん制。

    リビアに続き、シリアにまで外国が介入して現政権を倒し、
    民主化を進める動きが加速されてしまうと、
    こういう強制的な「民主化」を正当化されかねません。

    ロシアや中国でも、内部からそういう「民主化運動」が激化する
    可能性もあります。

    こういった理由から、ロシア、中国は外部から反体制派を支援して、
    アサド政権が倒されることには否定的なのですね。


    ここまで読むと、
    「ロシアと中国は自分の都合を優先してなんて非人道的な奴らだ!」と思うかもしれません。

    ただ、実は必ずしもそうとは言えない事情もあります。
    リビアの時の悪しき記憶です。

    カダフィ大佐と反体制派が激しくぶつかったリビア。
    人道目的での介入決議が国連で承認されました。

    ロシアも中国も、あくまで単なる「人道的介入」と高をくくっていました。

    ところが。。。
    欧米の「人道的介入」の名目の下、リビアに反体制派を擁護する兵力を送り込み、
    最終的にカダフィ大佐は「悪の象徴」のような形で無残に殺されました。

    カダフィ大佐が遂に死亡。リビアの将来は?

    今ではまるで忘れ去られた国のように何の報道もされなくなりましたが、
    その後のリビアが豊かになっているでしょうか。

    おそらくそうではないでしょう。

    石油の利権を得て得をしたのは欧米だけで、
    残ったのは石油の利権を奪われ、リーダーを失ったリビア。

    暴力は止まったかもしれませんが、真の民主化が達成されたとは到底いえません。
    それは上のリビアの記事でも以前書いた通りです。

    リビアの時はロシアも中国も「人道的介入」があんな政権転覆につながるとは
    思っていなかったわけです。


    要は、ロシアや中国は、
    「欧米は自分の都合で反体制派に肩入れした報道をしているだけじゃないの?」
    「人道支援と言いつつ、政権を転覆させるのが目的じゃないの?」
    「アサドが悪かどうかは欧米ではなく、シリア国民が決めるべきじゃないの?」
    「介入を正当化すると、軍事力によってもっと問題が大きくなるのでは?」
    と暗に言っているわけで、
    その言い分は、必ずしも間違っているとは言えません。

    リビアの例を見ると、否定できない意見ですよね。

    そして、仮に介入が決議されたとしても、イランも黙っていないでしょう。
    「人道的介入」のはずが、大戦争に発展する可能性もあります。

    結局、こういう内戦は、外国の利権がつきまとうもので、
    何が正しいのか、というのは非常に難しい問題です。

    各国の利害関係がここまで異なってくると、
    アラブ連盟が一枚岩になれないのと同様、国連も一枚岩になるのは不可能。

    しかし、「そんなこと言ってる場合か」というのはありますよね。

    シリアで毎日、人命が失われているのはまぎれもない現実。
    外国同士の利権争いでなく、もっと中立的な立場で一刻も早く食い止める
    方法はないものでしょうか。

    国連の本来の機能である「国際平和の維持」は既に機能不全に陥っており、
    問題解決のため、新たな枠組みの必要性が今叫ばれ始めています。

    以上、「なぜ国連はシリアの虐殺を止められないのか」を書いてみました。

    スポンサードリンク


    この記事と同じテーマの最新記事


    スポンサードリンク

    Comment

    1. ただいま「非公開コメント」も受付中です。
    2. 2012/07/19(Thu) 01:21通りすがり [ URL|Mail ]

      いや、その国連が問題なんだって。(笑)
      なんで、わざわざ民主化する必要があるのか。
      誰にとって、徳なことなのか。
      日本を含めた今の世界を見れば、自ずと答えは出てると思いますが。
      恐ろしい世界ですわ。今の世の中は。

    3. 最近の中東情勢について

      2013/07/12(Fri) 16:02noaco [ URL|Mail ]

      初めまして。初コメントさせて頂きます。中東の内戦、背景にある宗教的事情はなかなか根深いものですね。日本のニュースでは一面的でしか扱わないので自分でも根源と鳴っている部分を調べてはいるのですが、情報が飛び交い過ぎ、細か過ぎ、逆に分かりにくい側面も持つ中、このblogの記事(解説)はとても簡潔で丁寧で分かりやすく、とても興味深く拝見させて頂いています。また、中立的な意見も勉強になります。
      今後も色々と参考にさせて頂きますので、今後もblogのupを楽しみにしております。

      突然ながら失礼致しました。

    4. 管理人のみ閲覧できます

      2013/08/30(Fri) 02:29- [ URL|Mail ]

      このコメントは管理人のみ閲覧できます

    Comment Form


    管理者にだけ表示を許可する

    検索フォーム

     

    カテゴリ

    全記事一覧

    お知らせ

    ドバイの旅行情報
    トリップアドバイザーの おすすめブログとして推奨されました。

    ドバイ 旅行
    フォートラベルの おすすめブログとして推奨されました。

    FC2カウンター

    プロフィール

    kentaro3787

    Author:kentaro3787
    たまたまドバイで働くことになった男の旅行記。
    「感受性がない」とよく言われる自分が、冷めた目から各場所を”旅行的おすすめ度”S~Dで評価してみます。

    S:一生に一度は行きたい
    A:訪れて損はなし
    B:この地域に来たら行きたい
    C:良いけど、省略可
    D:行かなくてもいいかな
    (まあ、基準は適当です。)

    時々、ドバイの近況も載せるのでのぞいてみてください。

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
    HTMHThHhさ