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    わかりやすいアラブの話・第12回。

    先日勃発した、アルジェリア人質事件は、
    現地日本人駐在員が10名死亡という痛恨の結果になりました。

    自分も全く危険レベルの違う国ではありますが、
    アラブの国に駐在していた一人ですし、アルジェリアにも
    出張で行ったことのある身なので、身のつまされる思いです。

    心から亡くなられた10名の方々を心から尊敬するとともに、
    ご冥福をお祈りします。

    日本のマスコミでも連日、日本人人質の安否の話はもちろん、
    「なぜアルジェリア政府は性急な軍事作戦を取ったか」、
    「なぜ日本政府は全く情報が取れなかったのか」
    「日本政府は今後の危機管理をどうするべきか」
    といったことが繰り返し報道されました。

    そんな中、今回犯人側が要求した
    「フランス軍によるマリへの軍事介入の停止」
    については、言葉としては報道されたものの、
    その詳細についてはあまりどこでも触れられず、
    一般の日本人は「なんで軍事介入なんてしてるの?」という感覚じゃないでしょうか。

    実際、「人命がかかってるんだから、要求通りさっさと撤退しろよ」
    と憤慨した日本人は多いでしょう。
    自分も実際、初めはそう思いましたし。

    ということで、今回は「マリで何が起きているか」について書いてみたいと思います。

    まず、マリという国ですが、、、

    マリ地図

    マリ共和国は西アフリカに位置する農業国。
    フランスの植民地でしたが、1960年に独立しました。

    面積は124万平方キロメートルで日本の約3.3倍。
    人口は約1,600万人。
    そして、北側の国境でアルジェリアと接しています。

    1992年に民主化し、その後20年間、奴隷制や民族紛争はありつつも
    周辺国と比べても比較的平和で安定した国でした

    それが、なぜ「フランス軍が介入する」ような事態になったんでしょう??

    実は、これには以前、解説したリビアの内戦が大きく影響しています。

    ※リビアについてはこちらの以前の記事をどうぞ↓

    よくわかるリビア情勢
    カダフィ大佐が遂に死亡。リビアの将来は?

    マリはこの20年間、国を揺るがすような危機はなかったものの、
    民族間の争いがずっと続いていました。

    北部の遊牧民・トゥアレグ族と呼ばれる少数民族が、
    何十年もの間、北部に自分たちの独立国を擁立するために政府と戦っていました。

    ただ、反政府勢力とは言っても、そこはやはり少数民族。
    彼らの反政府運動も、マリという国を揺るがすような事態には至りませんでした。

    しかし、そんなときに起こったのが、2011年のリビア内戦。
    カダフィ大佐は国外から多くの傭兵を雇い
    そこには、このトゥアレグ族からも多くの兵士が参加します。

    しかし欧米が軍事介入して反カダフィ勢力に加担したことで、
    カダフィ側は防戦一方となり、最終的にカダフィの死によって、幕を閉じました。

    しかし、、、
    この一つの独裁国を転覆させるほどの内戦は、1カ国だけの話では終わりません。
    国内にため込まれた武器が周辺国に流出するからです。

    今回の場合、軍事介入によってリビア内戦を終わらせた欧米諸国は、
    リビア内戦を終わらせることだけでなく、その後の周辺諸国の治安維持のため、
    武器の安全の確保、周辺諸国の政府軍サポートの必要があったはずです。

    しかし、、、
    リビア内戦での軍事介入の中心的役割を担ったアメリカやフランスは、
    内戦後、大統領選挙期間でそれどころではなく、そこに十分な力を割けませんでした。

    その結果、傭兵として参加していたトゥアレグ族が、大量の武器をマリに持ち込み、
    一気に軍事力を高めたことで、政府軍との力関係に大きな変化が起こります。

    反政府勢力に攻め込まれた政府軍は、これまでとは一変して大苦戦。
    大量の政府軍兵士が殺害されます。

    この事態を見て、「もはや現政府には任せられない」と蜂起した政府軍による、
    軍事クーデターが発生、一気に国が混乱状態に。

    そして、この事態を更に厄介にしたのが、イスラム過激派武装勢力の介入
    彼らは、このマリの混乱に乗じ、「ジハード(聖戦)」という名目の下、
    トゥアレグ族の反政府勢力をを支援。
    彼らと同盟を組み、ついには北部に新国家「アザワド」の成立を宣言します。

    トゥアレグ族とすれば、長年の夢が遂に達成されたはずでしたが、、、
    それも一瞬のことでした。

    イスラム過激派は、まんまとトゥアレグ族を追い出し、マリ北部を次々と制圧。
    マリ北部はイスラム過激派のテロリストの本拠地になってしまいます。

    結果的に、トゥアレグ族はただ彼らに利用されただけ、という結果になったわけです。。。

    そして、勢いに乗るイスラム過激派は、さらに南部の掌握に取りかかります。
    いよいよ、マリ全土がテロリストの支配下に置かれる
    危険にさらされたわけです。

    そこで、今年の1月、マリ政府の要請の下、軍事介入したのが、
    もともとの宗主国・フランスです。
    そして今、過激派に制圧された北部の街を再び奪還していっています。

    そういう意味では、今回のアルジェリア人質事件での要求は、
    「マリという国をイスラム過激派に支配させろ」
    言っているようなもので、簡単に応じられる要求ではなかったのです。

    以上が、今フランスがマリに軍事介入している背景です。


    今回説明したかったのは、「フランスは正しい」ということではなく、
    欧米の軍事力で一旦解決したかに思われたイスラム教国の内戦が、
    また新たな争いの火種を呼び、更なる軍事介入が必要になる、という、
    出口のない迷路に国際社会がはまっている、ということです。

    リビアの記事でも書いた通り、欧米の介入には利権が絡んでいるのも事実。
    しかし、全く野放しにしたらいいのかというと、それも難しい。

    今回のことも、「フランスが軍事介入なんてするからこうなったんだ」という
    単純な問題ではなく、国際社会がこれを教訓に考えなければいけない問題です。

    更なる悲劇が起きないことを心から願うばかりです。

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    たまたまドバイで働くことになった男の旅行記。
    「感受性がない」とよく言われる自分が、冷めた目から各場所を”旅行的おすすめ度”S~Dで評価してみます。

    S:一生に一度は行きたい
    A:訪れて損はなし
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    (まあ、基準は適当です。)

    時々、ドバイの近況も載せるのでのぞいてみてください。

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